建物のコト
江戸時代から守り育ててきたこの土地の、古き良きものを残しながら、丁寧にリノベーションを進めています。
<Chanoma> 建築家・須藤 剛
くらしに、自然とのつながりと小さな発見を
現代の私たちの都市での暮らしは、いろいろなもので制御され、あまり自発的に考えなくても生活ができるようになっています。
とても便利ですが、それだけでは自分で考える力を養う機会や、自然とのつながりを感じることのない暮らしになってしまうのでないかと思います。
江戸時代からまもり育ててきたこの地を、使い方を与えるだけではなく、使う人が小さな発見をできる場所にできたら、より豊かな場として引き継いで行けるのではないだろうか。
そんな考えの下に手掛けた、「Chanoma(チャノマ)」の設計のポイントを解説します。
とても便利ですが、それだけでは自分で考える力を養う機会や、自然とのつながりを感じることのない暮らしになってしまうのでないかと思います。
江戸時代からまもり育ててきたこの地を、使い方を与えるだけではなく、使う人が小さな発見をできる場所にできたら、より豊かな場として引き継いで行けるのではないだろうか。
そんな考えの下に手掛けた、「Chanoma(チャノマ)」の設計のポイントを解説します。
Chanoma(チャノマ)の入り口や庭には、庇(ひさし)や道と庭を緩やかに仕切る、領域を作る役目として、スチール製の細いフレームを設置。
これは植物の住むパーゴラであり、カウンターを取り付けるための柱であり、そしてお客さんを迎えるゲートでもあります。
これは植物の住むパーゴラであり、カウンターを取り付けるための柱であり、そしてお客さんを迎えるゲートでもあります。
正面は、外の地面と同じ高さのまま続く土間と、大きく開くことができる木製サッシで、中と外とがおおらかにつながるようにしました。
そうすることで、ニシイケバレイの豊かな緑や、まちにふく風、自然を感じることができる場所としました。
また、固定の縁台と可動のベンチは同じデザインにして、中と外の差をあいまいにする工夫も凝らしています。
そうすることで、ニシイケバレイの豊かな緑や、まちにふく風、自然を感じることができる場所としました。
また、固定の縁台と可動のベンチは同じデザインにして、中と外の差をあいまいにする工夫も凝らしています。
建物の内部は、視線の抜けを作ることを意識しました。
土間から和室、和室から縁側、縁側から庭、庭から通路と、幾重にも空間が重なり、奥の向こう側にまた外が見えます。
土間から和室、和室から縁側、縁側から庭、庭から通路と、幾重にも空間が重なり、奥の向こう側にまた外が見えます。
そのほかにも、トイレへの動線は、光を反射させるシルバー塗装を使って通路の奥をうっすら明るくしたり、天井に隠れていた使わなくなった電気配線(碍子など)はあえて残したり・・・など、ちょっとしたことを発見するための工夫をちりばめています。
ぜひ実際にChanoma(チャノマ)を訪れて、小さな発見を楽しんでみてください。
ぜひ実際にChanoma(チャノマ)を訪れて、小さな発見を楽しんでみてください。
文責:建築家・須藤 剛(すどう つよし)
Tsudou Design Studio/株式会社須藤剛建築設計事務所 代表取締役、日本大学非常勤講師 | ニシイケバレイの建築や全体エリアの設計を担当
写真:池ノ谷侑花
Tsudou Design Studio/株式会社須藤剛建築設計事務所 代表取締役、日本大学非常勤講師 | ニシイケバレイの建築や全体エリアの設計を担当
写真:池ノ谷侑花